English page →

CAE(Computer Aided Engineering)があらゆる製品開発の場面に適用される時代となり、大規模なシステムの開発においてシステムの各種構成要素(コンポーネント)に対しCAE数値解析シミュレーションによる詳細な解析・設計が事前に行われています。 CAE数値解析の種類は「構造解析」、「熱解析」、「流体解析」、「電磁界解析」と言った異なる物理現象に分かれますが、場合によってはこれら各現象が相互に影響し合う「マルチフィジックス(複合的物理)・マルチドメイン(複合領域)」な解析が必要となる設計場面があります。当社はこのマルチフィジックス・マルチドメインCAEを得意とし、受託解析やアプリケーションモデル作成、技術導入のご支援、技術者向けの教育プログラム等をエンジニアリングサービスとしてご提供させて頂いております。

更に当社は、超大規模で複雑なシステムの開発に有効とされるモデルベース開発(MBD)手法にも着目しています。

従来、組込みソフト開発の分野で導入・発展して来たMBD手法が、近年ハードウェア開発にも適用され始めていますが、MBDを取り入れるには幅広い技術領域を考慮した検討が必要です。開発のV字左バンクにおいて、部門間や企業間を跨ぎ(マルチオーガニゼーション)、異なる物理現象に基づく(マルチドメイン)各種プラントモデルを、開発段階の各レベルに合わせた技術詳細度で揃え(マルチレベル)、これらと制御モデルを間違いなく確実に接続し、システム全体の設計・機能検証を物理系システムシミュレーターにより行う「バーチャルXILS(HILS,MILS,SILS…)」の仕組みを、如何に最適な形で構築し有効に運用出来るかが成功の鍵になると考えられます。当社はこのマルチオーガニゼーション、マルチドメイン、マルチレベルの3要素を満たすプラントモデルを如何に効果的に作成し運用管理するか入念に検討することが、MBD環境構築を成功させる上で重要と考えます。更にこれを実現する為に必要な基本要素技術として、CAE数値解析シミュレーションで得られた結果情報から、CAEの高い精度を保ちつつ高速に計算処理可能なプラントモデルを生成するReduced Order Modeling (ROM :次元縮約)技術に着目しております。

そこで当社は、CAE数値解析結果に基づくROMモデルや、理論式や実験値に基づくビヘビアモデル(VHDL-AMSやModelicaと言ったMBD用モデリング言語で記述)などでプラントモデルを用意し、これらと各種エンジニアリングソフトベンダーの物理系システムシミュレータや回路シミュレータ 、更にISO26262等の機能安全要求に対応した組込みソフト開発ツール (米国ANSYS社製) を有機的に連携させることにより、 自動車や航空機、メカトロニクス機器など複雑で超大規模なシステムであっても高い精度を保ちつつ非常に効率的で低コストな設計・開発を可能とする、ソフトウェア開発とハードウェア開発が連携・協調した「シミュレーション主導型んおモデルベース開発(MBD)環境」を考案しました。弊社は、この技術の紹介・体験教育サービスやMBD環境の構築支援コンサルティングを行っております。

尚、自動車開発におけるシミュレーション主導型MBDの具体例として、システムを構成する各部品やサブシステムの最適なビヘビア・モデルを国際標準モデリング言語 VHDL-AMSで作成し、これらをプラントモデルとして企画段階から車両の全体システム・個別サブシステムの妥当性確認・検証をシステムシミュレーションで高速・精密にデジタルで行った「シミュレーショ主導型MBD」の適応検証例が 自動車技術会「国際標準記述によるモデル開発(MBD)技術部門委員会」により報告されています。